研究内容

細胞培養の工学的設計・構築

細胞を使った製品と言えば何が思い浮かぶでしょうか。iPS細胞や骨髄由来間葉系幹細胞などを原料とした再生医療等製品でしょう。他には、細胞が放出するものを原料とするバイオ医薬品(抗体医薬やエクソソームなど)、創薬の薬剤試験などに使われるオルガノイド、近頃では培養肉もあります。
 細胞培養は古くは微生物を用いた細胞培養は古くは微生物を用いた発酵食品の生産などで用いられてきました。しかし、これらのようなヒトや動物の細胞の培養はまだまだ歴史が浅く、実験室のスケールでの成果は多く報告されている一方で、これらを商業化するためには大量生産が必要になります。しかし、スケールアップをはじめとした大量生産技術は、あまり進んでいません。
 その大きな要因として、実施にコストと時間がかかることにあります。一般的に生物の培養条件を決めるときは、いろんな条件を網羅的に試してみてその結果をみて、いい結果の条件を選ぶという方式を取りますが、細胞の生産の場合は何回もトライすることは現実的ではありません。一般に、培養には1週間〜数ヶ月かかるため、トライアンドエラーをしようとすると年単位の時間がかかってしまうことがあるからです。さらには、生産規模の培養は高いものだと数千万円以上かかるものもあり、そもそもトライアンドエラーすら金額的に許されない場合もあります。
 本研究室では、化学工学を足がかりに、細胞培養を実験・計算を駆使して解析、設計手法を構築すると共に、細胞培養の新たな活用を提案します。

研究テーマについて

 本研究室では、実験・計算の両方の研究テーマを設定しています。現在、研究室で主に進めている研究課題を紹介します。テーマ名をクリックしたら詳細を見ることができます。

バイオプロセス設計のためのCAE(BioCAE)技術の開発

 細胞培養の研究が

低ストレスで均一な培養を可能にする新型培養容器の開発

細胞培養中の流体ストレス可視化に関する研究